大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28(あ)536 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人諏訪栄次郎の上告趣意第一点について。

所論は、原審において主張せずその判断を経ていない事項であつて適法な上告理

由に当らない。(所論中判例違反をいう点もあるが原審の認定によれば本件恐喝未

遂の所為は被告人自身によつて行われたものであるから引用の判例は本件に適切で

ない)

同第二点、第三点について。

所論は、原審の適法に引用した証拠の証明力を争うに帰着し刑訴四〇五条の上告

理由に当らない。(第三点には被告人の自白に任意性がない趣旨の主張があるけれ

ども記録上これを認むることはできない)

同第四点について。

所論は、原審において主張せずその判断を経ていない事項であるから刑訴四〇五

条の上告理由に当らないばかりでなく裁判所は被告人側の申請にかゝる証人のすべ

てを取調べる義務があるものではないから申請の証人を訊問しなかつたとしても違

憲ではない。(昭和二三年(れ)第八八号同年六月二三日大法廷判決刑集二巻七号

七三四頁参照)

同第五点について。

所論は、第一審裁判所が被告人に対し黙秘権を告げる前に、学校はどこまで行つ

たか等と発問したこと、並びに証拠調の施行に際し弁護人申請にかゝる証人からそ

の取り調べを開始したことを捉え予断をもつて審理に当つたものであるから右は憲

法三七条一項にいわゆる公平な裁判所の裁判とはいえないというのであるが、一審

裁判所の右措置が何等違法でないことは原審の判示するところによつて明らかであ

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り、これを目して予断であるとなす主張は独自の見解に過ぎないのであるからこれ

を理由とする違憲の主張はその前提を欠くものである。

同第六点について。

所論は、訴訟法違反の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(所論

第一審の手続が違法でないことは論旨第五点について説明したところにより明らか

である)

同第七点について。

所論は、原審において主張せずその判断を経ていない事項であるから適法な上告

理由に当らない。

同第八点について。

所論は単なる訴訟法違反の主張であつて適法な上告理由に当らない(刑が不利益

に変更されたか否かは判決主文の刑によつて定めるべきものであり、また判決に没

収しない理由を判示することは法律の要求していないことであるから原審の手続に

は所論のような違法はない)。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものと

は認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二九年八月二〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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